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富士山雲上茶会

富士山雲上茶会の経緯

平成19年初釜で若い社中から申し出を受ける。
春の社中茶会で皆に図るも雲をつかむ様な話で、反応マチマチ。
3,4人集まれば、茶箱で野点が出来る。富士登山を目的にやろう。
そのうち参加人数も徐々に増え、10名となる。
それなら茶箱でなく、毛氈を敷いて風炉、釜でお茶会ができる。登山客の方にお茶を差し上げよう。発案の若い社中に代表幹事を務めて頂く。
さっそく富士山頂上の土地所有者である富士山本宮浅間大社さんの許可を得るべく話を進めて頂く。

好意的な返事を頂く。

本格的な野点の方法、準備に取り掛かる。整地、風、時には霧雨対策がポイント。
風で茶筅、茶杓が飛んでしまう。どうすればいいか。風炉先屏風でうまく囲って風が直接来ないように、桐材で屏風、敷板をつくる。また紅白の幕で囲う。雰囲気をだす為に野点傘も立てるが、やはり風対策もいる。杭を打ってしっかりとめる。傘を広げるのも風向き、風力を見ながらとなるか。人手もいる。何とかしよう。
催行日を決める。7月14,15,16日の連休となる。より多くの参加者が募れるから。
最終的にお点前をする社中10名と親族、友人などサポーター12名、計22名の編成が出来上がる。

予行演習として参加者の有志は高尾山へのハイキングも実施。

お点前の練習も重ねる。
点前道具、冬物の合わせ着物10人分その他姿見の鏡、タオル、雑巾、ゴミ袋等々準備万端出来上がる。
7月に入り山梨の新聞が私たちの富士山雲上茶会を取り上げる。反応は良好。
ただ富士山頂上は政府機関としては環境省、文化庁が関わってくる。浅間大社さん、環境省、文化庁の三者でどのような茶会形式がいいか最終的な話を代表幹事が進める。結果、頂上奥宮の社殿内と場所が決まる。浅間大社さんの希望もあって神殿に先ずお茶を奉納し、祝詞を頂いてからのお茶会となる。台子、皆具など新たに荷物が増え、総重量役130KGとなる。
いよいよ催行の7月14日がせまるも台風4号が富士山上空を通過予定。あきらめざるを得ない。再度催行日を皆で決める。8月11日と決定。しかしお盆前でもあり、勤務関係等で参加人数が15名に減る。

天気予報では8月10日、11日は良好との事。今度は実行出来る。

鵬雲斎大宗匠より激励の色紙等が届けられる。皆、直立不動の気持ちで拝見する。新たな決意が全身にみなぎる。日中登山隊8名は10日早朝出発。13時吉田口から見る富士山は快晴、少々雲に包まれているとのメールが入り、午後1時5分登山開始とのメールを受ける。ブル隊(ブルトーザーで荷物を運ぶ)5名は新宿午後1時のバスで出発。御殿場口、大石茶屋に夕刻入る。
日中登山隊との連絡は携帯電話、メールで行う。16時39分日中登山隊全員無事七合目に着くとのメールが入る。その後しばらくメール、電話連絡なし。五合目濃い霧に包まれる。それが大粒の雨となる。大石茶屋の主人曰く、七合目から上は晴れている。それを聞いて安心。しかし全く連絡が来ない。電話をするも通じない。やはり富士山か。通信がよくない。雨が上がり富士山頂上を見あげると七合目、八合目の山小屋の光が満天の星の中で光を違えて見える。日中登山隊はどこにいるのか。4時間近くも連絡なし。誰か高山病にでもなったか?不安がつのる。再度メールを打つも返事なし。22時01分メールが入る。予定の富士山ホテルに到着、標高3400m,気温4度c、全員無事、これより晩餐とのこと。よかった。ブル隊も眠りに入る。五合目から見る星もキラキラ大きく輝き、それを見ているとなかなか眠れない。高山病にならない為睡眠は十分に取らねば。

徹夜隊新宿より吉田口に到着

21時30分。いよいよ徹夜の登山開始。勤務の関係で女性一人が徹夜をせざるを得なくなる。それも初心者である為、男性富士山経験者が日中から徹夜隊に回ってくれる。安心。23時七合目に着く。さらに徹夜の登山が続く。満天の星たちを見ながらの登山は頭がさえる。途中何人かの高山病の登山者をみる。苦しそうだ。仲間が心配そうに見守っているも、下山する以外方法はない。激しい頭痛、息苦しさ、動悸、吐き気など症状はさまざま。夜間の登山は急ぎ足になる為、高山病になり易いとか。二人の徹夜隊は順調に登山を続ける。初心者の女性も足が軽い。午前2時ごろ八合目にたどり着く。本八合目を過ぎたあたりでご来光を見る。
午前6時過ぎ、いよいよ頂上に到達!やった!初めての富士登山、それも徹夜で!体全身に新たな力がみなぎった瞬間!午前9時、日中登山隊と合流。ブル隊が到着すればお茶道具を調え、着物に着替えてのお茶会だ!

庵主による献茶式が厳かに始まる

日本最高頂でのお茶会だ!みんな疲れも知らずに笑顔で登山者にお茶を差し上げる。点前座に座ってお茶を点てる。奥宮の社殿内、また外では鳥居のまわりはお茶会の雰囲気に包まれる。登山者は感激と共にお茶を飲み干す。おいしい、最高!との声があちらこちらで聞こえる。来てよかった、と思える瞬間だ。まさに一期一会のひと時となる。空はまれに見る紺碧の青、、、遠くには富士五湖、箱根、関東平野が一望できる。房総半島も見える。木更津の社中の仲間からメールが入る。綺麗に富士山が見えるとの事。しかし午後3時には下山しなければならない。富士山の天気は午後3時過ぎから雲がでる、雲中のブルにとって落雷は危険。狭い部屋で着物から再度登山姿に。その間口にしたのはバナナ1本。お茶道具も梱包。ブルに積む。さー下山開始。日中並びに徹夜登山隊は再び金剛杖を手に徒歩での下山。結果全員無事下山し、史上初の雲上茶会は皆さんのご協力、ご理解と社中の仲間のコミュニケーションの良さで無事お茶会を開くことができました。参加者の一人、ひとりの心の中で富士山は永遠に微笑み続けてくれるでしょう。

吉田口6合目(標高2,400m)到着

130kgの茶道具、着物などを積み込む。午前6時50分大石茶屋を出発

7合目で小休止。遠くに山中湖が見える。

16時30分日中登山隊吉田口7合目(標高2,700m)到着。

18時30分日中登山隊影富士を見る

20時30分頃吉田口8合目(標高3250m)到着

21時30分徹夜隊吉田口より登山開始。

23時00分徹夜隊7合目に到着。ペルセウス座流星群の流れ星が満天の夜空に大きく、そして長く尾を引いて流れていく。これからが難所だ。02時00分ごろ8合目に到着

05時02分、本8合目あたりで御来光を見る。
06時00分吉田口頂上に到達(標高3720m)

日中登山隊吉田口9合目(標高3650m)

日中登山隊吉田口頂上に到達(標高3720m)
09時00分ごろ徹夜隊と合流

厳かな雰囲気の中でお茶を点てる。
お茶を奉納

厳かな雰囲気の中でお茶を点てる。
お茶を奉納

神職見習いの学生さんもお茶会に参加

徹夜隊も笑顔を添えての一碗、、、、

登山客との歓談

点出しで登山客にも一服どうぞ、、、、

点出しで登山客にも一服どうぞ、、、、

点出しで登山客にも一服どうぞ、、、、

社中仲間で記念茶会

12日夕刻、山の手線車内ニュースで富士山雲上茶会の
様子が報道される。

鵬雲斎大宗匠からの色紙。皆の心が一つになった。

大宗匠との特別拝謁

大宗匠との特別拝謁

大宗匠との特別拝謁

大宗匠との特別拝謁

ご声援、ご支援を頂いた大宗匠へのお礼に東京道場訪問

ご声援、ご支援を頂いた大宗匠へのお礼に東京道場訪問

広東語による、富士山頂茶会のニュース

広東語による、富士山頂茶会のニュース

社中登山者による和歌、俳句です。

・我を待つ 富士の頂き闇に消え 疲れを癒す 満天の星

・揺れながら 静かに流れる灯の川は 天の海へと 昇り行くのか

・富士の山 みんなの 想い 天とどく

・職場より 見える影山 手を止めて 懐かしく思う 雲の頂き

・そびえたつ 富士は素顔で雲もなく 耕日心 形にのこす

・仰ぎみる 富士の頂き碧き空 和装あでやか 一会の茶碗

・うんしやうの 茶を持つ女子美しき 想い起こすは このはなのひめ

・三七七六に 立ちて点てる 銀茶かな

・雲上の 浅間の神に茶を供え 諸人歓ぶ 至福の茶碗

・雲上で 朋と味わう和の心 胸に翔びたつ 遠き仏国

 

一回透過雲関了
南北東西活路通
夕処朝遊没賓主
脚頭脚底起清風

裏千家耕日庵
勢 宗正
合掌